「自分はいったい何のために生まれてきたのか?」
この半年、私はこの問題から逃れることが出来ません。
私という人間は社会の中で取替えのきく存在で、
たとえ明日死んでしまったとしても、大勢に影響はない。
それどころかこの就職難の業界で私のポストが空いたら、
喜ぶ人こそあれ、悲しむ人などいないだろう。
夫は新居がきれいで、まだ人生のやり直しがきくうちに再婚するべきだし、
学校の方も、今年度の成績評価さえ終われば私なんかに用はないわけだし、
大体、人間一人を維持するのに消費されるエネルギーはバカに出来ないわけだし、
何だ、私の生きている意味なんて殆どないじゃないか!
というわけで、来年の2月か3月あたりに帰天したい旨、夫に相談したのですが、
「例えば一つの会社の中で、
一人一人の社員がまったく取替えのきかない仕事を任されていたとしたら、
その会社は成り立っていかないんだよね。とにかく、この世界の中で、
”自分はものすごく存在価値のある人間だ”なんて思ってる人は殆どいないはずだよ。」
と、だけ言われました。
彼も色々、生きていくのが大変な時期に来ているようであります。
仕事はきつい上に実りが余りないしね。
休みが二ヵ月に一遍位しかないから、過労死の危険も眼前に迫っているしね。
家事を引き受けることで、少なからず彼の肉体的・精神的負担を軽くしてやれるのは、
”今のところ”私だけなんだから、
ほいじゃぁ、というわけで、もうちょっとだけ酸素消費を続けてみようと思います。