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”私”という名の”彼女”

 

”彼女”は私であり、”私”は彼女である。
そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。
 



 
2002年01月04日(金) 自傷癖


彼女は、とにかく、自分の生皮を剥ぐのが大好きな子供だった。
自分の子供が傷だらけになっているというのに、親は、よく安心していられたものだ。

(彼女の両親は、何が起こっても驚かないという不思議な人種なのだ。
多分、明日、彼女が
 「ごめん! さっきヒト殺しちゃってさ…。」
と、電話をしたところで、
 「じゃ、早く自首しなさい。 弁護士費用はウチで出してあげる。」
と、落ち着いて前向きな意見を述べるような人たちなのだ。
何やらそういう重厚感がある。  …っつーか、ちょっと変。)

 ===

今、流行のリストカットとか、そういうものではない。
目的は、自殺でも、自殺未遂で誰かに助けを求めることでもない。
ただ、”美しいものを見たい”という芸術的欲求による彼女の自傷行為は、
なるべく他人に迷惑をかけないよう、夜の入浴前に行われていた。

剃刀で スッ と、薄く、皮を剥ぐ。
そうすると、一瞬、色素沈着のない、真っ白な皮膚が現れ、
そこに切れた毛細血管から ぷくぷくっ と、幾つもの赤い球体が覗いて膨らむ。

血の高まり同士がくっつきあって流れてしまうまでの、その赤と白のコントラストが彼女は好きだった。
後は、風呂の熱い湯で血止めをして終わりだ。

瘡蓋を剥ぐのも、同じような理由で好きだった。
だが新しく皮を削いだ時ほどの、美しい色の対比は望むべくもなかった。
というわけで、彼女の脛には沢山の傷があった。
勿論、靴下で隠れる部分にしか刃を立てたりはしなかったけれども。

 ===

さて現在の彼女はというと、当然、昔ほどの芸術家ではなくなっている。
でも今でもちょっとだけ、
指のささくれをむいてみたり、唇の荒れた部分を引っ張って剥がしてみたり…
毛細管の真っ赤な血が好きなことには変わりがないようだ。

 …

趣味の献血で見るドス黒い静脈血だけは、相変わらず好きになれないようだが♪
ではでは、

 


 

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