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”私”という名の”彼女”

 

”彼女”は私であり、”私”は彼女である。
そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。
 



 
2002年01月25日(金) 鏡の位置(デジカメで写そう♪ 登別心霊オフ3)

(こちらから御読み下さい。)


実話系怪談話が凄い盛り上がりを見せていた温泉宿の一室。
(注1)

腹這いでゆうみん組合長の体験談を聞いていた私の腰に、突然、

   ピリッ…

と、妙な痺れが走りました。
寒気でも、痛みでも何でもない不思議な感覚。
私は目の前にいた組合長に尋ねます。

 「今、腰が痺れたんだけど…。」

 「うん、実は、いま ”通った”。」

組合長は、
『あーあ、気づいちゃったか…!』 と、残念そうな口調で言いました。
ゆうみんさんは優しいので、”見えている”時も、それを口に出して、周りを不安がらせるような真似はしないのです。

 「おのれぇッ! 踏んでいきやがった!」

私は、声に出して怒って見せました。
でも、本気で怒っているわけではありません。
これは、”見えない彼ら” に対するデモンストレーション:
『私に寄り憑いても無駄だよ。 助けてあげないよ。』 というパフォーマンス。
この言葉が功を奏したのか、それ以上、私に接触してきた霊はいません。


 「踏んだんじゃないよ。 通りすがりにちょっと触っていっただけ。
 腰って言うよりも、もうすこし上のほうかな?」


私は組合長の霊視能力の高さに驚きました。
痺れたのは、御尻よりも上でウエストよりも下、腰椎の辺りだったからです。
真向かいに座ったゆうみんさんから見れば、確かに、”腰というより背中” を触っていったと映るでしょう。
ちょっと組合長の目の構造に興味がいってしまう私。

ゆうみんさんによると、部屋の入り口から窓に向かって ”何か” が頻繁に ”通って” いたらしいのですが、私は目を凝らしたりしませんでした。
また ”見える”ようになったら、大変だからです。

その昔、自動車教習所にて試験のプレチェックを受けた際、危うく ”精神分裂コード”に引っかかって免許をフイにするところでした。
(注2)
「何もないはずのところに、ものが見える」
「時々、天の声が聞こえる」
「その声は貴方に命令をしてくる」
の3つのチェック欄に、印をつけそうになったのです。
これに『ハイ』と答えると、もう免許は交付されません。 しかも教習所のブラックリストに載ります。
だから霊視能力を御持ちの方は、是非、正直な申告を止め、普通の人のフリをしましょう。
心療内科に言わせれば、イエス様にも十二使徒にも病名が付く時代です。



 「ねぇ、あそこの鏡が気持ち悪いんだけど…。」



maimaiさんが、窓際の鏡を指差しながら言いました。
そして、

 「こっち側の、肩が重い。」

と、顔をしかめます。
何も見えませんが、どうやら ”何か”が憑いた模様です。
ここで初めて、maimaiさんが霊媒体質だと気づいた私は鈍感でしょうか?

組合長は、maimaiさんの肩を数秒睨み、それから パンパンッ と、まるで埃を払うような仕草でそこを叩き、

 「はい、終わり♪」

と、言います。
どうやら追っ祓いも出来るようです。 凄いなぁ!

一体、どういう幽霊が見えたのかと皆で尋ねますと、どうやら ”人間” ではないとのこと。
組合長は我々にせがまれて、自分が今まで見た霊について話しました。
腰だけの幽霊とか、線路近くの事故で死んだのに、未だにそれが理解できず、組合長のお宅へ遊びに来る小学生の霊だとか。

さて、その話の途中、いきなりまた組合長の顔が険しくなりました。
左足を抱え込み、大きな貧乏ゆすりのような妙な動きをとりながら、窓際に集めたカバンの山に向かって、大声で怒鳴ります。


 「ヒトの荷物の上に乗るんじゃないッ!

   …

心底ビビリましたよ。 >組合長

何もない、誰もいない空間に向かって、威嚇するヒトを見たのは生まれて初めてです。
テレビのインチキ霊媒師ならよく見ていますが、ゆうみんさん、目がマジでした。
”何やら” が荷物の上にいたのだそうです。
どんな霊が乗っていたのか興味津々な私ですが、この質問には答えて貰えませんでした。
もしかして、その ”何か”はとても”気持ち悪いもの”だったのですか?
だから、言いたくなかったのですか? 謎。


 「あの鏡は塞ごう。」

組合長の意見で、我々は、鏡をタオルでくるみました。
鏡から部屋の入口へは、やたらと ”何か”の往来があるとのこと。
私の腰は、その通路にあたっていたのです。
maimaiさんの位置に立つと、確かに鏡から”嫌な”感じがしました。
怖いというより、”嫌” なのです。 何だかわかりません。



 「さぁーて、タバコ吸うか!」

いきなり言い放った組合長に続いて、喫煙組とぱんだひゃんは、隣の部屋へと移動していきました。
残ったのは、maimaiさん夫妻、タッカー氏、そして私の4人。
『魔物避けになるから、タバコはここで吸ってくれたほうが良い。』
私は思いました。
というわけで、部屋に残ってくれたタッカー氏がタバコに火を付けます。
私は、さっき憑かれたばかりで不安がっている maimaiさんに、一つ提案をしました。

 「maimaiさんは、北の侍さんと一緒に男子部屋で寝た方がいいですよ。
 私は大丈夫。 霊は私に憑けないから。 私みたいに ”話を聞いてくれない、見ようともしてくれない人”のことは嫌いだから。」

ゆうみんさんは大丈夫。 霊視も出来るし、声も聞こえるけど、追っ祓いが出来るくらいに ”力”が強いから。
タッカー氏も他の人達も大丈夫。 ”見えない”ヒトに霊は近づいてこないから。
ただ maimaiさんのことは本気で心配でした。
maimaiさんは、霊感が強い上に、とても優しいのです。(注3)
優しいヒトは、ヒトにも好かれますが、霊にも好かれる傾向にあります。
もしこの部屋が ”通り道” だったとしたら、磁石のように、際限なく霊を吸い寄せてしまう危険がありました。
そして、そんな話をしている間にも、maimaiさんはまた憑かれます。 ヤバ過ぎです。





  「盛り塩しとけって!」

隣の部屋の組合長に助けを求めた maimaiさんが部屋へ帰ってきたときには、小皿一杯の塩を手にしていました。
そしてそれを自分の肩にかけたり、窓枠にかけたり、鏡にかけたりしています。

 「まりぃさん、塩は?」

maimaiさんが心配してくれるので、『私達は霊を相手にしないから平気。』 と答えると、妻の身を案じた北の侍氏が強い口調で言いました。

 「だからいつも言ってるでしょ、
 ”ア・ナ・タが” しっかりしなきゃ駄目だって。
 俺には見ようと思っても、見えないんだからね!」


 『助けたくても、助けてあげられないんだからね。』


北の侍氏が飲み込んだ言葉に、夫婦の愛の絆を感じて感動した私です。
でも、不安がっているヒトに対して、正論は意味を成さないのですよ〜! >北の侍氏
それに 『しっかりしろ!』 と言われても、”優しい性格”を一朝一夕に変えることは不可能です。
アトピー性皮膚炎のヒトに、『気力で治せ!』 と言う位に、無謀。

そこで、霊から話題をそらすべく、我々は ”肩こり解消・大ストレッチ大会”を始めます。
これには maimaiさんもノリノリ♪
『やったね!』 と、ほくそ笑んだのですが、しばらくしたらまた『肩が重い』とのこと。 処置なしか?

そこに、組合長が入ってきました。 追っ祓い開始! 悪霊退散♪
もうココにはいないほうが良いだろう、『タバコ買いに行くぞ! タバコ〜♪』 と、言うわけで、我々は散歩に出かけることにします。


廊下の突き当りには、小さなバーがありました。
タッカー氏の話では、そこの親父は、プールの霊を3人くらい、1人で ”支えている”のだとか。
私達は入口を覗きに行ったのですが、組合長は1人、真っ青になって、

 「ゴメン! あたし、そこ駄目。」

と、言い残し、階段を駆け下りていってしまいました。
一体何が ”視えた” のかが滅茶苦茶気になりますが、これも教えてもらえません。
きっと怖いものだったのでしょうね。

というわけで、私も階段を降りようとしたのですが、何やらとてつもなく ”嫌な” 気にぶつかって、思わず歩を止めてしまいました。
タッカー氏が気にして、

 「まりぃさん、目が怖いっすよ。 何が見えるんっすか!?」

と、訊いてくれましたが、
ありゃ、何も見えないからこそ目が彷徨ってたんです。 スイマセン! >タッカーさん
何とか階段を降りきると、一同は外へと消えていきました。
私は冬の寒さに負けて、玄関でギブアップ。 先ほどの階段を戻ります。
ただ、例の突当たりだけは ”嫌な感じ”がして、怖くて覗き込めません。
『マズいぞ、ビビるな!』
私は自分を叱り付けましたが、どうしても自力復活は不可能。
そのまま怖がっていると、今度は私に霊が寄ることは明白だったので、霊をも蹴散らす emipuriさんに頼んで、件の場所を一緒に覗いて貰いました。
emipuriさんが入ってくると、女子部屋も圧迫感が消え、体感温度が2度くらい上がるのです。
ある意味、凄い”力”の持ち主だと思います。



それから男子部屋で寛いでいると、組合長を先頭に、散歩組が息せき切って帰還しました。

 「わかった、わかったよ!」

組合長が嬉しそうに言います。


 「あの窓の外、神社だった。」


社が、鏡に反射して入口に向かっているのです。
だからあの部屋は霊の通り道になってしまうのです。
部屋の鏡の位置が間違ってます。
そりゃ、”カミガミ” も怒るでしょうよ!

 「謝っておいたから、大丈夫♪
 ありゃ、”挨拶に来い” ってことだったんだね。」

その度に憑かれる、メッセンジャー maimaiさんとしては良い迷惑なのですが、そんなこと ”カミサマ”の知ったことではないのでしょう。
というわけで、幽霊騒ぎはこれにて終了!





 …と、なる予定でありました。


 === 脚注 ===

注1: ホテル名と部屋番号は伏せておきます。 本気で営業妨害になりますから。

注2: 現在は、”分裂症”という名称を改め、”総合失調症” というらしいです。

注3: 他の人達が 『優しくない』 という意味じゃないですよ! ええ!!
 




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