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”私”という名の”彼女”

”彼女”は私であり、”私”は彼女である。
そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。


2002年03月24日(日) もし貴方の娘が性犯罪被害にあったなら?




 下界はもう初夏の陽気で、ピカチュも浮かれて騒ぐというのに、鬼のようなタイトルですよね。スミマセン。

 今回は、”14歳女子中学生当時の私”(以下、”彼女”と表す)の強制わいせつ被害事件と、その二次被害についてを扱いますので、誰より我が親にとってショッキングな内容になると思います。それなら何故書くのかと問えば、現在、桃缶さん家で”家庭内性教育”の話題が沸騰しているからだとしか言いようがありません。とにかく、子供を持つ親御さん、これから子供を持とうと考えてらっしゃる方には是非是非、読んで頂きたいです。これは真実の叫びです。

 …と、ここまで書くと、ドロドロおっそろしく暗い告白を想像なさるでしょうが、別に事件自体は、どうということはありません。小学校で”、カレーの市民”を習ったときから”如何に死ぬか”を人生の課題としてきた私にとって、性犯罪もスリ・置き引きも、それほどの違いはないです。勿論、私を殺そうとする輩は別です。そんなん襲い掛かってきたらば、正当防衛を理由にグサグサ刺し捲くろうと思います。後腐れのない差し違えこそ、究極のカタルシス。まぁ遠距離から狙撃されたら、黙って大人しく死にますけどもね。 あ… 物凄く、話が逸れたわ♪

 とにかく、痴漢からストーカーまで、結構、多岐に渡る性犯罪被害を受けてるワタクシですけど、周囲の人間による”深刻な二次被害”にあったというのは、これが生涯、唯一の事例です。だから、なるべく多くの方々に、文体・人格、食わず嫌いせず読んで頂きたいと思いますです。ではでは、

 ===

 
 その日、中学生だった”彼女”は、いつものように夕暮れの通学路を一人歩いておりました。別に普段と変わりない、暗い夜道でありました。

 小学校の前を通りかかると、電信柱の後ろから、猫背でいかにも怪しげなヤツが、ひそひそ話しかけてきました。PTA役員だと名乗りましたが、嘘は一目瞭然でした。

 「ほら、小さな子でも”こんなこと”が出来るんだよ!」

そういって男が見せた見開きグラビアは、8つ位のブロンド少女が寝転んだおっさんの上に”載せられ”(詳細は省く!)つつあるところでしたよ。他のページも、まぁ殆どが”肌色”ばかりでありました。今なら、禁・児童ポルノで即刻しょっ引かれることでしょうが、当時はどうだかキッパリ謎です。とにかく無修正のエロ雑誌を広げたPTA役員だなんて、もう、開いた口がふさがりません。

 小男は、大きなお世話で”下の毛が生えたかどうかのアンケート”をとり始めました。小学校でもうマルキ・ド・サドを読了していた彼女ですから、男の質問には、”ああ、そう。”、”うん、大体ね”と、適当こいて答えてましたが、初めての”丸見え”グラビア雑誌に、興味津々! 傍目にも情けなかったと思います。

隠されてる・禁止されてるものほど、”見たい!”という気は高まるものです。というわけで、性犯罪抑止のためには、”書画18禁指定の解除”がかなり有効かと思われますけど、どうかな?

 とにかくヤツは、”ちょっと座って話をしよう”と、小学校の体育館前へ彼女を誘い込むことに成功しました。頭が彼方に逝ってた彼女は、フラフラとそれについて行きます。いや、アホです。本当にアホです。返す返すも自分が悪いと反省してます。で、当然の帰結でパンツに手を突っ込まれましたよ。うわー、たまらんっ!

 『何シヤがんだ、コイツ!』
と、ムカついたので、

 「さわんなよッ! このクソボケ!」
と、小男をけり倒した彼女。そのまま帰ることにしました。
ヤツは小走りに追いすがって来ましたが、後ろから彼女を押し倒すほどの度胸はないです。(幸運じゃッ!)
ただ、

 「おーい!」
と、間抜けな声がするので、肩越しにふと振り返ってみたらば、

 「見てみて〜♪」
と、股間の赤黒いチビ助を振りたくっていやがりましたよ。
正直、笑えました。

 「黒チ*、磨り減ってんぞ、ば〜か!

というのが私の捨て台詞だったと思います。実はもっと色々言ってたような気がしないでもないのですけど、忘れました。サイズ比較は、直前まで写真で見ていた白人さんのアレです。どうでもいいんですけど、露出狂の”恥部”って、何故、例外なく赤ムケ状態になっているんでしょうかね? 本来なら文字通り、恥ずかしがるべきだと思いますけど。その恥かしさがまた快感なんでしょうか? 変態さんの気持ちは奥深すぎて解る気もしません。まぁ、解らんでも人間死なない。

 というわけで、随分、遅くに彼女は帰宅しました。夕食に遅れた理由を問われた彼女は、わりかし正直に、PTAのアンケートを装った痴漢に遭遇したこと、そして暗がりに連れ込まれた挙句、性器を手で触られたことを親に報告しました。最も、”ポルノに釣られた”という重要な事実は伏せです…。そりゃ嘘はいけないけれども、自分に不利なことなら黙秘よ!

 …。

 さて、それからが本当の”事件”でありました。
私は後にも先にも、あの時ほど怖い母親の顔を見たことがありません。

 とにかく先ずは、問答無用で風呂桶に突っ込まれました。裸に剥かれ、熱いお湯へ身体がどっぷり潜り込みます。湯船の傍らに親が仁王立ちして、無言で此方を睨んでいました。このとき初めて、彼女は自分がしでかしたことの恐怖に震えが止まらなくなりました。もう、親からは完全に見離されたと思いました。今、考えれば、母はその時、目に見えぬ痴漢に対する怒りに燃えていたのでしょうが、そんなん解るわけがないわよ! 言葉に出さなきゃ伝わらないわよ! 

 その時、彼女は充分、傷ついていました。しかし、責め苦はまだまだ始まったばかりでありました。

 次は、脱ぎやすい服を着せられ、産婦人科に連れて行かれました。そしてこれまた問答無用で、初めての内診です。

『だから、強姦とか、指突っ込まれたとかそういうんじゃなくて、触られただけだって言ってるのに!』
大股開きの純潔の穴に烏口の化け物を突っ込まれながら、彼女は痛みに耐えていました。痴漢は痛くないけど、産婦人科は恥かしくて、更に痛いです。泣きたくなりました。しかし、彼女に泣き場所はありませんでした。母と医師との会話を遠くに聞きながら、彼女は自分だけがこの物語の除け者にされているのだと理解しました。

彼女の気持なんて、誰も尋ねてはくれませんでした。自分が”被害者”という名の”モノ”になった事実へ、彼女はのろのろと適応しました。本当は、早くベッドに潜ってさっさと眠ってしまいたいのに、周りは決してそれを許さず、間断なく責め苦を送り込んでくるのです。

『お前が悪い』

『お前に隙があったからいけない』

そんな解りきった言葉を呪文のように浴びせかけられ、彼女はもう疲れて疲れて、ぐでんぐでんになっていました。で、やっとの思いで帰った家には、男性警官が2人来ていて、深夜まで事情聴取です。今考えたら、性犯罪の聴取に何で男性が2人がかりなんだか心底理解不能なんですが、当時の彼女は、もうそんなことどうでもいい程、不定形生物でしたよ。実は、嘘八百の調書を作らせたという記憶があるので、例の痴漢が捕まったりせぬよう、毎日毎日祈ったものです。(時効!)

それでも何とか夜は来て、そして遠慮なく朝が来ました。翌日は強制的に休まされたような…。でも彼女は半分眠っていたので、全く記憶がありません。

そして翌々日、とにかく親が怖くて堪らない彼女は、朝も早よから元気に登校! すると、仲の良い友達(男)が わーっ と周りを取り囲んで、口々にこう訊いてくるではありませんか、



 「なぁ、”強姦されたんだって”? どうだった? 気持よかった?」


   …。


彼女以外のまともな神経の持ち主であったなら、一生消えないトラウマもんの質問だったと思います。

ウチの両親からの電話を受けた当時の担任(馬鹿男)が、HRで痴漢事件を吹聴して回ったそうです。(馬鹿! 氏に腐れ、この屑! チ*カス!) どうせ、広告するなら事実に即した情報を流して欲しいもんだと思いましたが、この担任は心底腐りきった”狂死”という字が相応しいようなアホでしたので、まぁ期待するほうが無駄だと割り切りました。とにかくアイツが、その根性に相応しい死を迎えてくれるよう、ここで軽く祈っておきます。というわけで、彼女の災難はジ・エンド。

 ---

それ以降の”彼女”は、現在に至るまで、一切の性犯罪被害を親に報告しなくなりました。それは、自分の傷を深めるだけだとココで痛いほど学んだからです。本来、親告罪であるべき性犯罪なのに、何故、本人の意思とは全く関係ないところで、学校やら警察やらが無茶苦茶被害を拡げるのでしょう? 一番、味方になって欲しかった親が、一番、子供を傷つけるのは何故かな? 彼女が夕方一人で歩いていたのは、彼女の罪かな? 彼女に痴漢が声をかけたら彼女の罪かな? 親は子供を守るためなら、どんなことをしてもいいのか? 乾いた内診台に縛り付けられ、冷たい金属を突っ込まれるのもコレは罰かな? あの時、彼女が欲しかった言葉はただ一つ、

 「大丈夫。大丈夫だよ。」

そう言って、励まして欲しかっただけなのに。
絶対の味方が一人でも欲しかったのに。実の親にもその欲求は満たされなかった。それが今でも凄く悲しい。

結局、14歳だった彼女は、自分以外の世界全てを一旦、敵に回したけれども、今じゃぁ世の中と仲直りして、結構うまくやっているんだ。めでたしめでたし♪


 ---


この世の全ての親御さんへ、


  「もし貴方の娘が性犯罪被害にあったなら?」

彼女の味方になって下さい。絶対、完全の揺るぎない味方になって下さい。
説教なんてしないで下さい。自明の理でも敢えて口にしないで。彼女を決して責めたりしないで。励ましの言葉なんか繰り返さないで。
彼女が嫌がることは、たとえ正義のためでもしないで下さい。

でなきゃ、貴方は誰より残酷で、誰より支配的な”加害者”となります。
逃げ道のない世界で、毎日毎日、少しづつ、彼女を蝕む”加害者”になります。
それを決して忘れないで下さい。
犯罪者との付き合いは、そりゃ一瞬で済むのだけれども、親との縁は切りたくて、切れるものではないのですから。


その昔、この世の誰より”親”を憎んだ娘より
限りない愛を込めて   まりぃ。




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