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”私”という名の”彼女”

”彼女”は私であり、”私”は彼女である。
そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。


2002年11月30日(土) 世界で一番”マシ”な人 -または私は如何にして離婚するのを止めて現夫を再び愛するようになったか -




   唐突ですが、この夏、私は夫と別れようと思いました。

理由としては色々あるのですが、一番大きいのは”相手と一緒にいても楽しくなくなった”こと。
 …で、元々経済的には全く当てにしてないし(夫は高給取りだが家計は割り勘)、扶養家族じゃなくなったことで法的メリットもなくなったし、彼には子供を作る気がどうやらないようだし(これは詐欺だ! バイアグラでも食事に盛るか?)、家事一切(携帯電話の契約にいたるまで!)を私が引き受けていて時間が凄く損だし等等… 総合的に判断して、これ以上、婚姻状態を続けている意味が見えなくなってしまったのです。

   6月、ウチは引越しを控えておりまして、 ”荷物もまとめたことだし、別れるなら今しかないぞ!” 感は最初から私を苛んでおりました。 新居の本契約が済んでしまうと、私がそれなりに高額の頭金を出すことになっていたこともあり、離婚に弁護士を雇う必要が出てきます。 最初から家計を別にしてたのだって、お互いの保険の受取人が配偶者じゃないのだって、何もかも将来の別離のため、夫婦共有財産を作らないためだったのに、何で家なんか買うことになったんだか…。(私は反対してたぞ、ずっと!)

   人間関係というのは不思議なもので、例え元々は好きだった人が相手であっても、その人の一部が嫌いになると、もう後は芋づる式に嫌いなところばかりが ”これでもか!” と目に付き始めます。
 
食事中文句は言うがそれ以外は終始無言あるいは自分の気が向いた話だけを延々と披露し続ける、食後食器を下げない、下げたら下げたで油ものの皿をガラスの食器に重ねてしまう(洗うときのことを考えろよ、頭悪いな!)、塗り物の箸を水につけっぱなしにする(常識がなさすぎる…)、風呂を自分で入れない、風呂の準備が出来ていないと風呂に入らない(はぁ?)、すすぎ後脱水待ちの洗濯機の中に新しい汚れ物を突っ込んでしまう、ポケットの中にメモを入れたままのワイシャツやズボンを平気で洗濯に出してくる(家事妨害したいわけ?)、そもそも洗濯物を一定の位置に集めず気が向いたところに脱ぎっぱなしにする、風呂に入ってない日に新しいパジャマをおろす(これはパジャマを配給制にすることにて解消)、足を洗う前に布団を踏む&枕の近くに足を持ってくる(信じられない…)、枕カヴァーを換えた日に限って頭を洗わない(これは、彼が頭を洗った日にだけ枕カヴァーを換えることで解消)…

   その後、引越しを物理的に一切手伝わなかった&引越しらくらくパックを(私が費用を持つと言っておいたにも関わらず)使ってくれなかった&複数回確認したにも関わらず、「引越しらくらくパック」で契約しなかったという事実を引越し当日まで私に伏せていた(おかげでウチは未だにダンボールの山)、これら3つの引越し関連要素が決定打となり、彼は私からの”信用”を失いました。

   こうなりゃ夫なんて、一緒に住んでいるだけの敵です。 私の人生の足引っ張りファクターです。 しまいにゃ顔を見るのも嫌になり、彼の体臭が嫌になり、近くにいるだけで気分が落ち着かず吐き気まで催すようになりました。 馬鹿馬鹿しいので、喧嘩にもなりません。 (お互い怒ると無言になるタイプなので、ウチは夫婦喧嘩が一度もない) だから学校が夏休みに入ってすぐ、実家のある浜松へ引き上げましたよ。 これが7月。

   8月、連絡を取り合うでもなく、一ヶ月。 別にお互いがいなくても生活には支障がないことを再認識。 でも、お互い ”暇なとき何となく構う相手がいない”、”友達に電話をかけてまで聞いてもらいたいほどではない、下らない話をする相手がいない”ことも大いに認識。 

   頭を冷やして考え直してみるに、やっぱ同居人がいるってのは便利です。 旅行の度、外食の度、遊びに出かける度に同行者を募って回る面倒もないし、一人が寂しい夜は相手を構って遊べるし。 元々寂しがり屋の私がいまさら一人暮らしを始めるのは結構難しいのでした。

   ”じゃぁ、新しい同居人、パートナーを捜さなきゃ” とまで考えた私は、そこでハタと我に返ったわけですよ。 経済感覚・嗜好・生活形態・相手への干渉程度・知的レベルetc. これまた総合的に考え合わせた結果、実は、現在の夫以上に私の配偶者として相応しい男性は周りにいないんです。 これは新鮮な発見でした。

   勿論いまでも、彼への信頼は限りなくゼロに近いし(私は一度うそをついた人間を許すほど心の広いヲンナではない!)、彼からの家事参与も限りなくゼロに近く、この状況が改善される見込みなんかもう殆ど全然ないんだけれども、でも現時点で彼より”マシ”なライフパートナーを探せる可能性だってオーナインシステム(0.000000001%の確率)なわけです。 たとえ今、いい人が見つかったとしても、”機種変更”だとそれなりの法的手続きを伴ってかなり面倒と思われるわけだし。 その面倒を乗り越えるような気力も体力も、何より今更 ”他人と恋愛して、結婚の手続きを取りなおす” なんて… そんな暇、私にはない!

   …というわけで、私は現ヲットとの結婚を持続しようとの結論に至ったわけです。 そして9月、新学期準備のため東京に帰ってきたとき、彼に

   「 …私は、以上のような理由で貴方と離婚したいと思ったけれども、婚姻解消のデメリットがメリットを上回ると判断したので、現時点では、もはや離婚を考えていません。」

とだけ、告げました。 ヲットからは事実上ノーリアクションでしたが、その方が良いです。 お互い別離のメリットがデメリットを上回ったとき、私たちは多分、喧嘩の一つもなしに別れることでしょうが、それはそれでスマートでええんでないかい?  とにかく今のとこウチの夫は、あくまで私の主観における、世界で一番 ”マシ”な配偶者。 それは中々に得がたい、素晴らしい人なのです。

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   昨日は二人で「ゴジラ対メカゴジラ」の試写会に行ってきました。 ”釈由美子のオシリはやはり一つの究極形だ” とか、 ”例の電源供給ねたは、エヴァのヤシマ作戦のモロ・パクリだ” とか、そういう馬鹿馬鹿しいことを言い合える相手が近くにいるというのは、本当に嬉しいことであります。 結婚の醍醐味って、意外とこんなどうでもいいようなところに転がっているのかもしれません。
ではでは、


まりぃ。









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